産科と小児科、医師偏在の暫定指標設定へ – 厚労省が分科会に提案(医療介護CBニュース)

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出典元: 医師偏在指標などについて議論した分科会(28日、東京都内)

厚生労働省は28日、医療従事者の需給に関する検討会の医師需給分科会に対し、医師偏在の指標に関する対応案を示した。指標は、医師確保計画の目標医師数や医師少数区域の設定などで活用する。診療科別の医師偏在に関しては、産科と小児科で暫定的な指標を設定し、2019年度から都道府県が策定する医師確保計画に反映させたい考えだ。【新井哉】

■都道府県間の患者の流出入も考慮

 厚労省はこの日の会合で、指標について、▽医師確保計画における目標医師数▽医師少数区域・多数区域▽大学医学部における地域枠・地元出身者枠-の設定に活用することを説明。このほか、都道府県内での医師の派遣調整やキャリア形成プログラムの策定、臨床研修病院の定員設定などにも活用できるとした。

 医師偏在指標を導入する理由について、厚労省は、地域ごとの医師数の比較には人口10万人当たりの医師数が一般的に用いられているが、患者の流出入や医師偏在の種別(診療科、入院・外来、区域)、へき地などの地理的条件、将来の人口構成比の変化などが考慮されていないと指摘。「医師偏在の度合いを示すことによって、都道府県内で医師が多い地域と少ない地域が可視化されることになる」とした。

 地域ごとの医療需要についても、人口構成の違いを踏まえ、「受療率を用いて性・年齢調整を行ったものを用いてはどうか」と提案。患者の流出入にも考慮する必要性を挙げた。例えば、人口当たりの医療資源の少ない埼玉県から医療資源の多い東京都に患者が流出するといった都道府県間の患者の流出入が発生しているからだ。

■産科と小児科は「喫緊の対応」

 今後の議論では、産科や小児科の指標の策定を優先する見通しだ。厚労省は「周産期医療、小児科医療については、医療計画上、特に政策的に医療の確保が必要とされている」とし、診療科別の偏在指標を検討することを「基本的な対応」としながらも、産科と小児科に関しては「喫緊の対応」として暫定的な指標を設定する方向性を示した。特に産科については、▽北海道▽山梨▽愛知▽福井▽高知▽宮崎▽鹿児島-の7道県で産科のない二次医療圏があるなど政策的な課題を抱えているからだ。

 ただ、診療科間の偏在を調整するためには、全診療科別の医師偏在指標が必要となる。このため、暫定的な指標は「当面の医師確保計画にのみ活用することとし、医師養成等の将来時点の検討には用いないこととしてはどうか」と提案した。これに対し、委員からは、産科や小児科よりも医師数が減少傾向にある外科を優先すべきではないかとの意見が出たが、厚労省は、産科と小児科は政策的な医療の側面があるとして理解を求めた。

 10月以降は指標に加え、医師少数区域・多数区域、地域枠・地元出身者枠、外来医療提供体制について議論し、19年3月ごろまでに医師偏在対策を取りまとめる。指標などに関する通知も都道府県に出す予定。

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