もっと里親を身近に 乳児院がカフェ開催(東京・杉並)(福祉新聞)

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出典元: 聖友ホーム近くのカフェを貸し切って開かれた

乳児院や児童養護施設などを運営する社会福祉法人聖友ホーム(東京都杉並区)は8月25日、里親と地域の住民をつなげる「里親カフェ」を初めて開催した。里親になりたい人に体験を伝えるだけでなく、地域の理解者を増やすことが狙いで、社会人ボランティア団体「イチゴイニシアチブ」の協力で実施。今後2回ほど開くという。

 「自分の子どもが2歳になった時、また赤ちゃんを育てたいと思って、里親になりました」ーー。杉並区に住む50代女性は穏やかに語り始めた。参加者らは会場の「カフェ・ド・ヴァリエテ」が提供するこだわりのコーヒーとケーキを味わいながら、リラックスした様子で聞き入った。

 女性は現在、夫と共にフルタイムで働きながら、里子を養育している。もともとは保育士。8年前、実子が2歳の時、0歳児を受け入れた。最初の里子は2年半で実親の元に戻り、今は2人目を育てている。

 女性は、保育園の保護者会で里親であることを打ち明けると、周りも協力的だったエピソードを披露。最初の里子が実親の元へ戻る際は涙が出たことなどを話し「里親は本当に貴重な経験。障害や事故も含め、誰にでも人生いろんなことが起こる。多様性を認める社会になればありがたい」と呼び掛けた。

 聖友ホームが里親カフェを開いたのは、地域の理解者を増やしたいという思いがあったからだという。イチゴイニシアチブという外部団体と協力することで、企画と広報を強化した。「乳児院も地域に出ることが求められる時代。社会的養護を知らない人にももっとアプローチできれば」と竹内正樹・聖友乳児院長は話す。

 来場したのは、地域でボランティア活動をしている人や、塾経営者、カフェ・ド・ヴァリエテの常連客などさまざま。坂井隆之・東京都杉並児童相談所長は「地域で身近に里親の話を聞けるこのようなイベントが必要だと思っていた。里親を増やすには、草の根で理解者を増やす活動が不可欠。民間主導で開催してくれてありがたい」と語る。

 里親カフェではこのほか、聖友ホームの里親交流支援員が都内の里親の現状について話し、乳児院は親子関係のつながりを大切にしているという養育方針を説明。また、杉並児童相談所で里親委託等推進員をしている東京臨床心理士会のスタッフが里親登録の流れや、委託後も児相や福祉施設、学校などがチームとなって支えることなどを強調した。

 里親カフェでは、参加者同士が交流する時間も設け、2時間ほどで終了。「何ができるか自分も考えたい」「身近に乳児院があったのに、活動の内容を全然知らなかった」などの声が上がった。

 今後、聖友ホームは地元の別のカフェを貸し切り、9月21日、10月25日にも開催する予定だという。

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