高齢者の医薬品適正使用へ、療養環境別の指針を通知 – 厚労省、入院前から退院までの各職種の役割を明確化(医療介護CBニュース)

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厚生労働省は14日、「高齢者の医薬品適正使用の指針・各論編(療養環境別)」を都道府県などに通知した。患者の病態や生活などの変化によって医療従事者が気を付けるべきことが変わることから、各論編では外来や在宅医療など療養環境ごとの薬物療法の留意点などを明記。患者の入院・入所前から退院・退所までの医師や薬剤師らが担う役割も明確化している。厚労省は当初、3月中の各論編の公表を目指していたが、関係部局間での調整が難航し、公表がずれ込んだ。【松村秀士】

 各論編は、厚労省の高齢者医薬品適正使用検討会が2018年5月にまとめた「高齢者の医薬品適正使用の指針・総論編」の追補版という位置付け。

 患者の療養環境を、▽外来・在宅医療・常勤医が配置されていない特別養護老人ホームなど▽急性期後の回復期・慢性期の入院医療▽常勤医が配置されている介護施設など―の3つに分け、それぞれの療養環境での処方内容の確認や見直しの考え方、別の療養環境への移行時・移行後の留意点などを記載している。想定される各論編の利用者は、医師や歯科医師、薬剤師ら。

 各論編によると、外来や在宅医療などの場面では、定期的に通院する患者でも他院での治療や処方の経過をその都度報告するとは限らないため、それらを定期的に確認する必要がある。また、在宅医療を始める際には、診療情報提供書やお薬手帳などを活用し、全ての処方薬剤を把握するよう求めている。

 在宅医療の間では、かかりつけ医が総合的に医学的管理を行っているため処方薬剤の把握は外来時よりも容易だが、一般用医薬品などの使用状況は本人らが申告しないと確認が難しいと指摘。患者や家族、介護スタッフらからその使用をよく聴取して把握すべきだとしている。

 回復期・慢性期では、それより前の療養環境の医師や病棟配置の各専門職から得た情報を基に、入院の担当医が患者の病状や認知機能、栄養状態、入院前の生活環境など多面的な要素を総合的に評価した上で、薬剤を処方することが求められる。処方を見直す際は、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)などを通じて患者本人の価値観に基づく意思決定を支援する必要性を強調。認知症や意識障害によって、患者が意思表明できない場合には、意思決定支援者としての家族らや医療・ケアチームと共に支援をしていくよう促している。

■各療養環境での処方見直しの事例集を添付

 各論編ではまた、▽外来・在宅医療等への移行時▽回復期・慢性期病棟への入退院時▽その他の療養環境への入退所時―の留意点についてイラストを用いて解説しているほか、各療養環境での処方見直しの事例集を添付。患者の入院・入所前から退院・退所までの医師や薬剤師、看護師らが担う役割も明確にしている。

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