認知症予防、数値目標の設定取りやめへ – 根本厚労相が表明(医療介護CBニュース)

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政府は、月内にまとめる予定の新たな認知症対策の大綱に、予防のための数値目標を盛り込まない方針を固めた。原案では、「70歳代での発症を10年間で1歳遅らせる」との数値目標を示していたが、認知症当事者らの懸念の声に配慮した。根本匠厚生労働相が、4日の閣議後の記者会見で明らかにした。【松村秀士】

 政府が5月16日の有識者会議で公表した大綱案によると、今後の認知症施策は、▽発症や重症化の「予防」▽認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けられる「共生」―の2つを柱にして推進する。

 このうち、予防では「70歳代での発症を10年間で1歳遅らせる」とした。これを有病率に置き換えると、10年間で相対的に約1割の低下で、団塊の世代の人が75歳以上となる2025年までの6年間では相対的に6%の低下となる。このような認知症予防に関する数値目標を国が提示するのは初めてのことだった。

 しかし、根本厚労相は4日の閣議後会見で、「70歳代での発症を10年間で1歳遅らせること自体をKPIや目標とするのではなくて、予防の取り組みを行った、その結果としてそうなることを目指す旨、表現ぶりを修正することにした」とし、数値目標の設定を取りやめることを表明。認知症の当事者らから、「頑張って予防に取り組んでいながら認知症になった人が落第者になって自信をなくしてしまう」などの意見があったためだと説明した。

 根本厚労相はまた、認知症予防の定義として、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするという趣旨を大綱に明記する考えを示すとともに、「共生」と「予防」を“両輪”にして対策を進めることを強調した。

 大綱は、15年1月に策定された「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)の改訂版で、対象期間は19年から25年までの6年間。月内に開かれる認知症施策の関係閣僚会議で、政府は大綱の正式決定を目指す。

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