5年以内の残業上限1860時間達成、2割弱で困難 – 日医緊急調査(医療介護CBニュース)

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出典元: 救急災害医療担当の日医・石川常任理事(10日、日医会館)

地域医療を確保するための暫定特例水準として、一部の医療機関に勤務する医師に対する時間外労働(残業)の上限が、年間1860時間まで認められる。日本医師会(日医)はこれを踏まえ、救急医療を担う施設を対象に緊急調査を実施。10日の定例記者会見で、対象の医療機関821施設のうち、150施設(18.2%)が残業時間を水準以内に収めることが困難だとの見通しであることを明らかにした。救急災害医療分野を担当する石川広己常任理事は「救急医療から撤退し、救急医が大規模病院に集約される事態が起きる」などとして、患者の救急医療へのアクセス低下を危惧。民間の中小病院に対する支援の必要性を訴えた。【吉木ちひろ】

 調査は2019年3月4―31日に全国の2次救急医療機関(救急告示医療機関を含む)、3次救急医療機関等(または小児救命救急センター)、(総合・地域)周産期母子医療センターを対象に実施。1739施設が回答した。

 救急医療部門の医師の勤務時間(年間)を「他院での勤務も含め」、今後5年の間に1860時間以下とすることについて聞いたところ、救急車の受け入れ台数が1000台未満の2次救急医療機関を除く821施設が回答。2次救急医療機関(583施設)では「おおむね可能、すでに対応できている」が305施設(52.3%)、「医師の半数程度は可能」が54施設(9.3%)、「3分の1程度は可能」が32施設(5.5%)、「ほぼ不可能」が37施設(6.3%)だった。3次救急医療機関(162施設)では「おおむね可能、すでに対応できている」が77施設(47.5%)、「医師の半数程度は可能」が14施設(8.6%)、「3分の1程度は可能」が3施設(1.9%)、「ほぼ不可能」が8施設(4.9%)だった。それぞれ「わからない」や未回答もあった。
 また、救急医療部門の医師の勤務時間(年間)を「他院での勤務も含め」、今後5年の間に1860時間以下とすることが困難(「医師の半数程度は可能」「3分の1程度は可能」「ほぼ不可能」)と回答した150施設に、どのような対応を取るかを尋ねた設問では、「医師の増員」が52%、「救急患者の受け入れ制限、救急対応時間の制限」が21%、「現状維持」が17%、「その他」(医師間の業務調整、タスクシフティングなど)が3%だった。未回答は7%で、「救急医療機関の返上」の選択肢を回答した施設はなかった。
 石川常任理事は調査の結果を受け、対応困難な個々の救急医療機関、特にその多数を占める民間医療機関を支える必要があると指摘。「働き方改革に逆行するものではなく、脱落しそうな所を支える趣旨」と説明した。

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